
春になると、なんとなく体が重い。
よく眠れない、めまいがする、だるさが抜けない――。
「花粉のせいかな?」と思いがちですが、実はそれだけではない場合もあります。
特に60代・70代になると、寒暖差や気圧の変化、自律神経の乱れなどが影響しやすく、
春は体調を崩しやすい季節です。
若い頃とは少し違う不調の出方に、戸惑うこともあるかもしれません。
この記事では、
春に起こりやすい体調不良の原因と、無理をしないやさしい対策をまとめました。
「頑張る」のではなく、「整える」春にするためのヒントになれば幸いです。
春に増える体調不良の正体
春はあたたかくなり、気持ちも前向きになりやすい季節です。
けれどその一方で、体には思っている以上に負担がかかっています。
「花粉症だから」とひとことで片づけてしまいがちですが、
実は春特有の環境変化がいくつも重なっていることが少なくありません。
ここでは、見落としやすい主な原因を整理してみましょう。
① 自律神経の乱れ
春は寒暖差が大きく、朝晩の気温差も激しい時期です。
この変化に対応しようと、自律神経がフル回転します。
特に60代・70代では、自律神経の調整力が若い頃よりもゆるやかになるため、
- なんとなく疲れが取れない
- めまいがする
- 眠りが浅い
といった症状が出やすくなります。
「特別な病気ではないけれど、なんとなく不調」
という状態は、自律神経の乱れが関係していることもあります。
② 寒暖差疲労
最近よく耳にする「寒暖差疲労」。
これは、気温差に体がついていかず、エネルギーを消耗してしまう状態です。
日中は春の陽気でも、朝晩は冷え込む――
この差が大きいほど、体は疲れやすくなります。
特に
- だるさ
- 肩こり
- 頭痛
が続く場合は、寒暖差の影響を疑ってみてもよいでしょう。
③ 睡眠の質の低下
春は日の出が早くなり、生活リズムも微妙に変化します。
知らず知らずのうちに睡眠が浅くなり、
- 夜中に目が覚める
- 朝すっきり起きられない
といったことが増える場合があります。
睡眠不足が続くと、さらに自律神経が乱れ、不調の連鎖につながります。
④ 花粉以外のアレルギーや乾燥
春はスギ花粉だけでなく、ヒノキや黄砂、PM2.5なども影響する時期です。
また、空気の乾燥によって喉や鼻が敏感になることもあります。
「花粉症の薬を飲んでいるのに、なんとなくつらい」
という場合は、複数の要因が重なっている可能性もあります。
春の体調不良は、ひとつの原因だけではないことが多いものです。
次の章では、60代・70代が特に気をつけたいポイントをもう少し具体的に見ていきましょう。
60代・70代が特に気をつけたいこと
春の不調は誰にでも起こりますが、
60代・70代では体の変化が重なりやすく、少し注意が必要です。
「年のせいかな」と我慢してしまう前に、気をつけたいポイントを整理しておきましょう。
① 血圧の変動
春は寒暖差の影響で血圧が上下しやすい季節です。
朝晩の冷え込みや、急な暖かさに体が反応し、血管が収縮・拡張を繰り返します。
その結果、
- 立ちくらみ
- 頭がぼんやりする
- 動悸がする
といった症状が出ることがあります。
普段から血圧を測っている方は、春先だけでも記録をつけておくと安心です。
② めまい・ふらつき
春は自律神経が乱れやすいため、めまいが増える傾向があります。
特に起床時や、急に立ち上がったときにふらつくことがある場合は注意が必要です。
「少し休めば治るから」と無理を重ねると、転倒につながることもあります。
春は“慎重に動く”ことも大切な対策のひとつです。
③ だるさ・気力の低下
春は環境の変化も多い季節です。
家族の異動や、生活リズムの変化などが重なると、気づかないうちに心身が疲れています。
- 何をするにもおっくう
- 外出が面倒に感じる
- いつもより疲れやすい
こうした状態が続く場合は、「がんばりすぎていないか」を振り返ってみましょう。
春は前向きなイメージがありますが、実は“エネルギーを使う季節”でもあります。
④ 脱水に気づきにくい
気温が上がると汗をかきやすくなりますが、
春は「まだ暑くない」という感覚から、水分補給が不足しがちです。
軽い脱水でも、
- 頭痛
- だるさ
- めまい
が出ることがあります。
「のどが渇いていなくても、こまめに水分をとる」
これだけでも不調が軽くなる場合があります。
春の体調不良は、「大きな病気」ではなくても、生活の質を下げてしまいます。
だからこそ、早めに気づいて整えることが大切です。
次の章では、今日からできる“やさしい対策”を具体的にまとめていきます。
今日からできるやさしい対策
春の不調に必要なのは、特別なことではありません。
大きく生活を変えるよりも、小さな整えを積み重ねることが大切です。
無理なく続けられることから始めてみましょう。
① 朝の光を浴びる
朝起きたら、まずカーテンを開けて自然の光を浴びましょう。
朝日を浴びることで体内時計が整い、自律神経のバランスが安定しやすくなります。
外に出なくても、窓際で数分過ごすだけでも十分です。
② ぬるめのお風呂でゆっくり温まる
春はシャワーだけで済ませがちですが、
38〜40度くらいのぬるめのお湯にゆっくり浸かることで、副交感神経が働きやすくなります。
「疲れを取る」というより、
「緊張をゆるめる」イメージです。
③ こまめな水分補給
のどが渇く前に、少量ずつ水分をとることを意識しましょう。
白湯や常温の水でも十分です。
春の軽い脱水は見逃されやすいですが、
水分補給だけで体が楽になることもあります。
④ “がんばりすぎない”予定の立て方
春は何かを始めたくなる季節。
けれど、予定を詰め込みすぎると体が追いつきません。
「今日はここまでで十分」
そう思える余白を、あえて残しておくことも大切です。
⑤ 花粉対策も無理なく続ける
花粉が原因の不調が重なっている場合は、
市販薬やマスク、空気清浄機などの基本対策を無理なく続けましょう。
完璧を目指すよりも、
“続けられること”を優先するほうが、体は楽になります。
春は、新しいことが始まる季節。
けれど同時に、体にとっては負担もかかりやすい時期です。
だからこそ――
「がんばる春」ではなく、
「整える春」にしてみませんか。
小さな習慣の積み重ねが、体調をゆっくりと安定させてくれます。
まとめ|春は「がんばる季節」ではなく「整える季節」
春になると、気持ちは前向きになります。
けれど体は、寒暖差や環境の変化に対応しようと、思っている以上にエネルギーを使っています。
60代・70代の春の不調は、花粉だけが原因とは限りません。
自律神経の乱れ、寒暖差疲労、睡眠の変化、軽い脱水など、いくつもの要因が重なっていることもあります。
「なんとなく不調」は、体からの小さなサイン。
無理を重ねる前に、少し立ち止まって整えることが大切です。
朝の光を浴びること。
ぬるめのお風呂に入ること。
こまめに水分をとること。
そして、がんばりすぎないこと。
特別なことではなく、続けられることを大切に。
春は「新しいことを始める季節」でもありますが、同時に「自分をいたわる季節」でもあります。
どうか、体の声を聞きながら、やさしい春をお過ごしください。
